米大統領選とサウスカロライナ州の予備選で見えた激戦の構図

米大統領選とサウスカロライナ州の動向

2024年のアメリカ大統領選は、トランプ氏の勝利となりました。

サウスカロライナ州予備選の結果分析

サウスカロライナ州の予備選では、民主党のバイデン大統領が96.2%という圧倒的な得票率で勝利を収めました。一方、共和党ではトランプ前大統領が59.8%の得票率を獲得し、地元候補のヘイリー氏を大きく引き離す結果となりました。

黒人有権者の影響力と投票傾向

サウスカロライナ州の特徴として、人口の約26.3%を黒人が占めており、これは全米平均の13.6%を大きく上回っています。2020年の選挙でもバイデン氏の勝利に黒人有権者の支持が大きく貢献しており、今回も同様の傾向が見られました。

予備選から見える本選挙への展望

この予備選の結果から、11月の本選挙に向けていくつかの重要な示唆が得られます。バイデン陣営は黒人有権者からの強い支持を維持していますが、一方でアラブ系アメリカ人からの支持が低下しているという課題も浮き彫りになっています。

選挙資金と今後の選挙戦略

ヘイリー氏は潤沢な選挙資金を持ちながらも、地元での敗北を喫しました。これは2028年の大統領選を見据えた長期的な戦略の一環とも考えられます。一方、トランプ氏は複数の刑事裁判を抱えながらも、依然として共和党支持者からの強い支持を維持しています。

サウスカロライナ州の政治的重要性

サウスカロライナ州には9人の選挙人が割り当てられており、南部における重要な指標州としての役割を果たしています。民主党がこの州を初戦の地として選んだことは、多様性重視の姿勢を示す象徴的な意味も持っています。

サウスカロライナ州の予備選では、民主党のバイデン大統領が96.2%という圧倒的な得票率を獲得しました。一方、共和党ではトランプ前大統領が59.8%の得票率で、地元候補のヘイリー氏の39.5%を大きく上回りました。

特筆すべきは、トランプ氏が幅広い年代層から支持を集め、さらに黒人有権者からも過半数の支持を得たことです。一方、ヘイリー氏の支持基盤は大卒者や中道層に限定されていました。

アラブ系アメリカ人の支持動向の変化

バイデン大統領にとって気がかりなのは、従来の支持基盤であるアラブ系アメリカ人の支持が大きく低下していることです。世論調査によると、バイデン大統領への支持率は2020年の59%から17%へと急落しています。

これは主に中東政策、特にガザ地区での対応への不満が原因とされています。アラブ系アメリカ人の67%がバイデン大統領のイスラエル・パレスチナ情勢への対応に否定的な見方を示しています。

今後の選挙戦の展望と課題

11月の本選挙に向けて、トランプ氏には4つの刑事裁判という大きな課題があります。3月25日からニューヨーク地裁で不倫口止め料に関する公判が始まり、5月20日にはフロリダ地裁で機密文書保持に関する公判が予定されています。

一方、バイデン大統領の支持率は41%にとどまり、「支持しない」が55.4%と上回っています。インフレ高止まりや不法移民問題、高齢への懸念など、複数の課題に直面しています。

選挙人票の配分と勝利への道筋

サウスカロライナ州には9人の選挙人が割り当てられており、大統領選での勝利には270人の選挙人票が必要です。前回2020年の選挙では、サウスカロライナ州はトランプ氏が制しましたが、最終的な勝利はバイデン氏が収めました。