オドリオソラ選手は、2023年夏の移籍市場でレアル・マドリードを退団し、育成クラブであるレアル・ソシエダに復帰しました。1995年12月14日生まれの27歳(2023年9月現在)で、スビエタ(レアル・ソシエダの練習場)で育った右サイドバックです。
2017年1月にトップチームデビューを果たし、瞬く間に定位置を確保した実力者です。2018年のロシアワールドカップではスペイン代表にも選出されるなど、将来を嘱望される選手でした。
レアル・マドリードでの経験や、バイエルン・ミュンヘン、フィオレンティーナへのレンタル移籍を経て、より成長した姿でレアル・ソシエダに戻ってきました。チームとしても、チャンピオンズリーグに出場するレベルにまで成長しており、オドリオソラ選手の経験が大いに活かされることが期待されています。
2018年夏、オドリオソラ選手は移籍金3000万ユーロ(約47億円)でレアル・マドリードに加入しました。しかし、「白い巨人」と呼ばれるクラブでは思うような活躍ができず、在籍3年半で公式戦通算49試合の出場にとどまりました。
レアル・マドリード時代について、オドリオソラ選手は「レアル・マドリードはフットボールはもとより、人生の修士号だ」と振り返っています。厳しい環境の中で多くのことを学び、人間的にも成長したことがうかがえます。
オドリオソラ選手の復帰について、本人は「僕は少年として旅立ち、ひとりの男として戻ってきた」と語っています。レアル・マドリードでの経験を「素晴らしいもの」と評価しつつ、「生涯のクラブでベストを尽くすためにすべてを捧げる」と決意を示しています。
復帰の背景には、レアル・ソシエダの成長も大きな要因となっています。オドリオソラ選手は「当時のラ・レアルは優れたクラブだったが、今やチャンピオンズリーグのクラブだ」と述べており、クラブの発展に貢献したいという思いが強く感じられます。
また、「アノエタで右サイドを駆け抜けていた少年のような情熱は残り続けている」という言葉からは、古巣への愛着と活躍への意欲が伝わってきます。
レアル・ソシエダには日本代表MF久保建英選手が所属しており、オドリオソラ選手との関係性も注目されています。2023年5月に行われた東京ヴェルディとの親善試合では、両選手が共にプレーする機会がありました。
試合後、オドリオソラ選手は日本人ファンからの寄せ書きメッセージを読む様子が公開され、日本のサッカーファンとの交流を楽しんでいる様子が見られました。
このような交流は、チーム内の雰囲気づくりや、国際的な視野の広がりにも貢献していると考えられます。
オドリオソラ選手のキャリアの中で、あまり知られていないエピソードとして、フィオレンティーナでのレンタル移籍時に起きた出来事があります。
2022年、フィオレンティーナに所属していた際、オドリオソラ選手は自宅で空き巣被害に遭いました。窃盗犯たちは持ち去ったブランド物のリュックの中にユニフォームを見つけましたが、その価値を見出せず庭に投げ捨てていたのです。
オドリオソラ選手は後にこの出来事について、「一番価値のあるものを捨てていった」とコメントしています。プロサッカー選手にとって、ユニフォームがいかに大切なものであるかを示すエピソードと言えるでしょう。
レアル・ソシエダに復帰したオドリオソラ選手の今後の活躍が期待されています。しかし、復帰直後は出場機会に恵まれず、2023-24シーズン開幕後しばらくはベンチ入りが続きました。
この状況について、オドリオソラ選手は「ラ・レアル復帰から最初の数週間で、自分が望むようなフィジカルの状態にないと感じた」と説明しています。レアル・マドリードでほとんど出場機会がなかったため、ソシエダの要求する高いフィジカルレベルに再適応するのに時間がかかったようです。
しかし、オドリオソラ選手は「僕が集中していたのは、練習で10回のスプリントすること、15回連続でクロスを送ることだった。その後の試合でスプリントを15回、クロスを20本放つためにね」と、着実に調整を進めていることを明かしています。
レアル・ソシエダの監督イマノル・アルグアシルについても、「イマノルの一人ひとりとの話し方……出場する選手、しない選手との接し方は、ほかの場所では見たことがない」と高く評価しており、チームの雰囲気の良さがうかがえます。
今後、オドリオソラ選手がフィジカル面での調整を終え、本来の実力を発揮することで、レアル・ソシエダの右サイドバックとして重要な役割を果たすことが期待されています。チャンピオンズリーグでの経験や、トップレベルのクラブでプレーした経験を活かし、チームの更なる飛躍に貢献することでしょう。
以上の情報から、オドリオソラ選手のレアル・ソシエダ復帰は、選手個人の成長とクラブの発展が合致した結果と言えるでしょう。今後の活躍に注目が集まります。